交通事故対応マニュアル

物損事故の最強交渉術!! <中級編>

中級編

物損事故の交渉術中級編

今回のテーマは、物損事故賠償金の種類を知ることです。物損事故ではヒトには関わらないモノに関する請求をします。 *ここでは人身事故側の通院における慰謝料などは含みません。

1. 修理費

クルマの修理費が50万円で過失割合が9:1となった場合、1割の5万円を引いた45万円支払ってもらえます。修理見積もりはなるべくディーラーに出しましょう。町工場より高く見積もられることが多いです。また、修理しないでお金をもらうことも可能です。

保険金もらって修理をしないことは合法です

修理をしないという選択の場合、修理見積もりから消費税分差し引かれて支払いになってしまいます。その理由は、消費税は修理することによって発生するためです。今は修理をしない場合でも、今後修理をする可能性を少しでも考えている場合、その旨を保険会社に伝えましょう。そうすることで消費税分も支払ってもらえます。

また、見積もりが出てそのまま見積もり分払ってもらえるわけではないので注意です。保険会社から見積もりを出した場所にクルマを鑑定人が見に来ます。後日、保険会社から見積もりの訂正額を提示されます。理由はディーラーはここをこれで直すって言ってるけど、一般的にはこの部品で直すし、そうするとこんだけ安くなるしって感じです。初めて聞く方は調査員って保険会社とグルちゃうんかって思うのですが、この調査員の審査はある程度公平に行われていて、ケチのつけようがないみたいなので、この結果に関してケチをつけるのはやめましょう。

わかりました。それは受け入れるし、消費税はお願いね。

“概ねその額は受け入れるのでキリの良いこの額に合わせて欲しい”という提案がベストです。

2.代車・レッカー費用

レッカー費用に関しては、事故が相手の過失であれば間違いなく払ってもらえます。私の場合は、自分の保険会社もレッカー無料でしたので、自分の保険会社のレッカー手配使い、後日、自分の保険会社が相手保険会社に請求していました。
代車に関しては少しややこしいです。まず、代車が欲しい場合、手配前に必ず代車費用を負担してもらえるかどうか、相手保険会社に確認してください
原則、必要不可欠な場合にのみ代車は可能です。私は通勤で使っていたため、相手方から代車は必要か確認がありましたが、慣れない代車でトラブルを起こしても嫌なのでお断りしました。なお、保険会社が代車を用意してくれる場合もあるようです。

代車を使いたい場合、相手保険会社には、必ず事前に代車費用負担してもらえるのか確認してください。

3.評価損

新車を購入に1年以内に事故とかでなければまず評価損の請求は難しいです。では、評価損は請求無理だね、はい次、で終わっていいのか?答えは“No”です。

評価損とは・・事故前と修理後の車両価格に生じた差額のことです。車体を直しても、事故歴が残り、売り出す時に事故前に比べ、中古車市場で価格が低くなる場合の損益額を指します。

車体フレームまで事故の影響を受けた場合、中古で売っても、買取業者は再販する際に事故車として記載しなければいけないため買取評価額は大きく下がります。評価損の請求は難しいですが、フレームまで影響を受けてしまった場合は交渉してみるのも良いと思います。また、評価損として請求が無理でも、売り出すときに事故車扱いになって事故のせいで高値で売れなくなったからというのを1つの武器にしましょう。使うタイミングはここ1番の時にです。あと一歩で相手が妥協してくれそう、これくらいの金額なら妥協してくれるだろうという際に使います。むやみやたらに言わずに大切な時が来るまで取っておきましょう。基本的にはフレームが歪んだりしてない場合は、事故車にはならないですよとはじき返されます。

評価損の請求が難しい場合でも、他の部分の請求する交渉の一つの武器として使用しましょう。

4.衣類や持ち物の賠償

主にはバイクで事故に巻き込まれた方が対象になるかと思います。これは賠償金UPしやすい項目なので必ず請求しましょう。交通事故によって着ていた服が汚れたり破れたりありますよね。それ全て請求できます。

4-1. 写真撮影

事故当時に着ていた服や持ち物は全て写真を撮ってください。傷や破れのアップと全体がわかるように、そして品番がわかるようにラベルも撮るとなお良いです。印刷するかメールにて送ることが可能です。

4-2.ネットで同じ商品を探す。

楽天市場やamazonなどでokです。いくらで売られているのか知らせるために、同じ商品のページを印刷しましょう。同じ商品がありすぎてどれを選んだら良いかわからない方は、時価額選定のためですので、任意でご自身で選択してください。

4-3.専用用紙を記入する

保険会社から届く用紙に購入金額を知らせます。覚えていない場合は2の金額で大丈夫です。購入年月はだいたいで良いです。覚えてる感覚で書きましょう。自己申告ですレシートは不要です。洋服買ったレシートずっと残してる人はまずいないでしょう。保険会社も理解しています。

少しの傷や破れでも保険会社は商品の時価額相当の支払いをしてくれますので積極的に申請しましょう。また、申請した商品で賠償金もらった後も、保険会社から対象物を回収されることはありません。そして、

今後、ご自身で対象の衣類等を使用しても問題ありません。

あくまで傷つけたことに対する賠償です。そのため、時価支払いとなり、購入日が古いものは、「減価償却」を利用して時価額を算定します。そのため3年落ちとかだと価値はほとんどなくなってしまうかもしれません。

私は冬コート7万円くらいを事故時に着ていて、事故で後ろに小さな穴が空いた部分が1カ所あったため申請したところ、ほとんど同額払って頂けました。その他にもスニーカーなども申請して、トータルで10万円程になりました。半年落ちくらいだとほぼ同額払って頂けます。

事故で着用していた衣類等で傷が少しでもついたものは、積極的に保険会社に請求しましょう。